世間知らず
「あんた、いよいよ小沢さんが復活したのね」
「そうかい。病気でもしていたのかい」
「細かいことは知らないけれどやっぱり心臓が悪いんだって」
「フーン。そうだったのかい。昔は脂ぎって元気だったけどな」
「あんた、小沢さんの若い頃を知っているの」
「知ってるも知らないも現物だって見たことあるよ。あの人の話は天下一品だったよ。客がみんな腹を抱えて笑ったもんだ。あの話の間の持たせ方と落ちが何ともいえなかったなあ」
「そうなの、知らなかったわ。小沢さん、小泉さんより話がうまかったの」
「小泉? 小泉なんかと比較するなんて小沢さんに失礼だろう。芸のレベルが全然違うよ」
「へー、小泉さんは小泉さんで上手だと思ってましたよ」
「昔はなあ、田舎の映画館であの人の姿をよく見かけたもんだぜ」
「エッ、映画館でも小沢さんと逢ったりしたの。小沢さん、そんなに映画好きだったの」
「映画が好きだったどうか知らないけれど、テレビよりはましだと思っていたんじゃないか。今はどう思っているか知らないけれどな」
「へえ、映画好きなんてけっこうくだけた人だったのねえ。私はてっきりとっつきにくい難しい人だとばっかり思っていたけれど」
「そりゃ 俺だって私生活は細かく知らないぜ。ただ昔から放浪好きだったみたいだけれどな」
「そうなの。それであんなにいろいろ渡り歩いたのかしら」
「つい、最近まではラジオでよく話も聞いたけれどな」
「へー、やっぱりいろんなところに顔を出していたのね」
「去年は確かNHKテレビに出てきて昔の歌を情緒たっぷりに歌っていたよ。
素人離れしていたぜ。あの人は好きなんだねよ、芸事が・・・」
「へー、けっこう粋な人なのね。あの四角い顔から四角四面の堅物かと思っていたけれど」
「おいおい、お前さん、歳をとって眼が悪くなったのかい。あの人、昔から結構馬面だったぜ」
「馬面? あんたいったい誰の話をしているのよ。私は小沢一郎さんの話をしているのよ」
「小沢一郎? いつ昭一から一郎に改名したんだよ」


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たそがれ親父の人生ノート
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「そうなの、知らなかったわ。小沢さん、小泉さんより話がうまかったの」
「小泉? 小泉なんかと比較するなんて小沢さんに失礼だろう。芸のレベルが全然違うよ」
「へー、小泉さんは小泉さんで上手だと思ってましたよ」
「昔はなあ、田舎の映画館であの人の姿をよく見かけたもんだぜ」
「エッ、映画館でも小沢さんと逢ったりしたの。小沢さん、そんなに映画好きだったの」
「映画が好きだったどうか知らないけれど、テレビよりはましだと思っていたんじゃないか。今はどう思っているか知らないけれどな」
「へえ、映画好きなんてけっこうくだけた人だったのねえ。私はてっきりとっつきにくい難しい人だとばっかり思っていたけれど」
「そりゃ 俺だって私生活は細かく知らないぜ。ただ昔から放浪好きだったみたいだけれどな」
「そうなの。それであんなにいろいろ渡り歩いたのかしら」
「つい、最近まではラジオでよく話も聞いたけれどな」
「へー、やっぱりいろんなところに顔を出していたのね」
「去年は確かNHKテレビに出てきて昔の歌を情緒たっぷりに歌っていたよ。
素人離れしていたぜ。あの人は好きなんだねよ、芸事が・・・」
「へー、けっこう粋な人なのね。あの四角い顔から四角四面の堅物かと思っていたけれど」
「おいおい、お前さん、歳をとって眼が悪くなったのかい。あの人、昔から結構馬面だったぜ」
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